ご挨拶
医療の原点は人の苦悩をとり、癒すことであります。古くは僧侶や巫女がその仕事をしていました。人の苦悩は病気によって生じることから、医療は宗教や加持祈祷から離れ、学問として扱われるようになりました。実際に細菌、ウイルスによる感染症は抗菌薬、抗ウイルス薬により治癒する時代になりました。心筋梗塞、癌、脳卒中などの死に至る病気も最先端の医療機器や抗がん剤で死病ではなくなりました。
しかし、いつの時代も医療は未完成です。体質、心の病気、長寿=老化に伴う病気、原因不明の難病などに悩む患者さんは常に存在しており、その方たちをどうやって救うかが、各時代に生きる医療人の使命だと考えております。
私は答えのひとつに統合医療があると考えています。現代日本の医学は科学に立脚した西洋医学が中心です。西洋医学の優れた実績に異論はありません。でも、完璧ではありません。その不十分さを正視したなら、西洋医学と異なる理論、技法が求められるはずです。すなわち、伝統医学や手技療法です。代替医療と総称されますが、内実は玉石混交ですし、病気に対する治療は代替医療単独では不十分です。
当院では現代的な内科診療を行うことを基本とし、さらに専門的な漢方治療を提供していきます。また、信頼のおける代替医療の専門家への橋渡しもいたします。西洋医学と代替医療を併用すること自体は難しくありません。問題はその完成度にあります。たとえば、西洋画家が描いた絵に後から日本画家が筆を入れて二人で仕上げた絵と、一人の画家が西洋画と日本画の双方を専門的に学んだあとに一人で仕上げた絵ではどちらの完成度が高いでしょうか。私は後者の方が高いと思います。
きちんとした内科診療と間違いのない漢方治療・代替医療を提供できるクリニックを作ってまいりたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
【院長】小尾 龍右